こんにちは、億持ってない億男です。
スーパーでお米を買おうとして「高っ!」と驚く方も多いでしょう。お米は私達、日本人の主食であり多くの家庭で欠かせないものです。
ところが・・・昨年の夏ごろから「お米不足」が問題になり、そして、どんどん価格が上がっています。5kgのお米が、最初は数百円、そして、今では千円単位で値上がりしています。
平成の米騒動があったときのように、日照不足ということもなさそうなのにどうしてお米が足りないのでしょうか。今回は、「なぜお米の価格が高いままなのか」「今後安くなるのか」について、食費が気にする方向けに、できるだけわかりやすくお話ししていきます。
お米の価格は例年の69%アップ
報道によると、2025年のお米の価格は、前年比で約69%も上昇したとされています。つまり、倍以上の価格になってしまったということです。確かに、スーパーに並ぶお米の価格は5キロで4000円超えのものばかり・・・。
タイミングによっては2キロ入りのお米しか棚に並んでいないこともあります。
家計を直撃するお米の高さですが、外食産業などの、大量にお米を扱うところでも深刻な影響が出ています。家庭でも「お米を買う頻度を減らしている」「できるだけ安いものに切り替えた」という声があります。
ですが・・・ここで不思議に思う方もいるのではないでしょうか?「備蓄米を放出したのにどうして?安くなるはずじゃなかったの?」と。
政府は備蓄米を21万トン(2025/05/04時点)を放出しています。店頭にも備蓄米が並んだわけですが、価格は高いまま・・・・・・。そして、お米が不足しているのも事実です。どうしてもこんなことになっているのでしょうか。
参考:NHK https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250219/k10014726881000.html
備蓄米を放出しても安くならない理由は?
政府はお米の価格高騰を受けて、一部の備蓄米を市場に出しました。備蓄米を放出することで、価格が下がるのではないかと予想されていた訳ですが・・・・しかし、値段は下がりませんでした。それどころか、4月以降にお米の価格を値上げした販売店も増えています。
どうしてなのか・・・その理由はひとつではありませんが「そもそも流通量が足りていない」というのも事実です。お米の流通量が少なく需要と供給のバランスが崩れているため、価格が上がっているのです。
つまり、備蓄米を出したとしても、一時的にしのげるだけにすぎず、お米が足りないという根本的な解決にはなっていないのです。また、備蓄米の入札という形で放出されましたが、農水省は備蓄米について「販売価格の制約は設けていない」
としています。つまり、備蓄米も入札で価格が決まるということ。そして、販売価格に制限がない。流通量が足りていない状態で、入札をすれば価格は高い水準になることは火を見るより明らかです。
そして、驚くかもしれませんが、この米不足中でも「米の輸出」が行われているのです。
日本米は、「おいしい」と人気があり、外国に輸出されているのです。つまり、国内での流通量が足りていないのに、海外向けにも出しているという状況があるため、米不足が加速し価格が下がらないというわけです。政府は今後、5年以内に米の輸出を8倍にするとしているため、ますます輸出される米の量はふえることでしょう。
参考:Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/d2df1a31e45250771784432aa9750672bb9e4bf9
お米の価格があがった理由は?
では、そもそもなぜ昨年夏から急にお米が高くなったのでしょうか?
- インバウンドによる需要増加
コロナ禍が明け、外国人観光客が日本に観光で訪れるようになりました。そして、ホテルや飲食店などでの「和食需要」が急増しています。外国から来たからには和食を食べたいという人が多いため、外食産業での需要が増えています。
インバウンド需要でお米の消費が一気に伸びているのです。
- 減反政策
長年、日本では「お米が余らないように」という政策のもと、農家に対して作付け面積減らすようにという政策を行ってきました。「減反政策」です。
その結果、多くの農家が米作りをやめたり、他の作物を作るようになったりして米の差生産量が減っているのです。前述したインバウンド需要も相まって「需要があるのに生産量がへる」という事態が起こりました。その上、夏の猛暑などで米の生産量が更に減っているのです。
需要と供給のバランス供給のバランスが崩れて、今の価格になっているのです。
参考:MBSニュース https://www.mbs.jp/news/feature/specialist/article/2025/03/105529.shtml
2025年の新米が出回ることで価格は落ち着くのか
では、今年の新米が流通すれば価格は安定するのでしょうか。記憶にある方も多いと思いますが、昨年も新米が流通すれば価格が安定すると言われていました。ですが、実際にはお米の価格は下がりませんでした。
つまり、今年の作柄がよかったとしても、すぐに値段が下がるかどうかは解らないのです。
また、台風や猛暑、冷夏などの 天候不順や災害があれば、逆に収穫量が落ちて価格がさらに上がる可能性もあります。
まとめ
お米の価格が下がらないのには、いくつもの背景があります。まず、日本では長年の減反政策の影響で、生産量そのものが減っていました。そこにコロナ明けのインバウンド需要が重なり、飲食店やホテルなどでの国産米の消費が急増しました。さらに、日本のお米は海外でも人気が高く、政府が輸出を推進していることで、国内に流通するお米の量がますます少なくなっています。
このように、全体の供給量が足りていない中では、政府が備蓄米を放出しても価格を押し下げる効果はほとんどありませんでした。2025年の新米が出回ったとしても、価格が本格的に下がるかどうかは見通せず、むしろ高止まりが続く可能性もあります。